チラシは A4 と A5、どちらを選ぶべき?
結論から言うと、情報量が多く、商品表やイベント詳細を載せたいなら A4(210 × 297 mm)。街頭配布、新聞折込、袋詰め同梱なら A5(148 × 210 mm)が最もコストパフォーマンスに優れます
A5 はちょうど A4 を半分に裁ったサイズで、この事実が思った以上に重要です。台湾の印刷会社の用紙判型は固定されており、全判や菊全判から裁断すると、A4 も A5 も版面いっぱいに無駄なく収まり、捨て紙がほとんど出ません。私がこれまで見てきた中でもっともムダが多い事例は、クライアントが「おしゃれに見えそう」という理由だけで規格外サイズを強行し、全判1枚に4面しか入らず、耳紙を全部捨て、用紙代が3割も膨らんだケースです。コストパフォーマンスは見る影もありませんでした
実務上、忘れがちなポイントが2つあります
・塗り足し:仕上がり四辺それぞれに 3 mm の塗り足しが必要です。A4 なら 216 × 303 mm で入稿しないと、裁断後に白フチが出ます
・手持ち感:A5 は片手に軽くてポケットに入れやすいサイズ。A4 は二つ折りすると A5 のような開閉感になり、情報を詰め込んでも窮屈に見えません
迷ったときは、覚えておくと便利な原則があります。「保管される」チラシは A4、「手に取ってもらえる」チラシは A5、と決める方法です

チラシの用紙選びで失敗しないコツは?
チラシで最もよく使われる用紙は3種類。この3種類を押さえれば、8割のニーズはカバーできます
・コート紙:表面に光沢があり、発色が鮮やかで写真を多用する場合に最適。DM や促销单の主力で、標準的な連量は 100P〜150P
・マットコート紙(マットアート紙):同じく綺麗に印刷できるけれど、光沢がなく文字が読みやすく、上質感が出ます。飲食メニューやブランド系チラシに向いています
・上質紙(未塗工):塗工がなく書き込みやすく、書類のような質感。申込書や記入される説明チラシに適しています
連量も重要なポイントです。チラシは 100P〜150P が主流で、100P は薄めで低コスト、大量街頭配布向き。150P になると「コシ」が出てふにゃっとせず、ちゃんとした販促物の手に取らせることができます。さらに厚くするとほぼカード紙になり、単価が上がります。立てかける卓上カードなどにするのでなければ、200P 以上に上げる意味はほとんどありません
現場でよく見かける誤解に「厚ければ高級」というものがあります。実はマットコート 150P の質感のほうが、コート紙 200P より好まれることが少なくありません。マット調の落ち着いた表面が、印刷物をより品格あるものに見せるからです。用紙は連量だけで選ばず、そのチラシが「どう扱われるか」を先に考えるべきです
色数と部数が、本当のコストを決める
多くの人が用紙ばかり気にしていますが、総額を左右するのは「色数」と「部数」という2つのスイッチです
色数のロジックは、まず印刷方式によって変わります
・デジタル印刷:色数に関わらず「フルカラー」は一律料金で、製版代もかかりません。そのため片面カラーと両面カラーの価格差は小さく、少部数、短期納期、色確認のための校正刷りに向いています
・従来のオフセット印刷:版を起こす必要があり、CMYK 4色なら版も4枚。片面4色、両面4色(4/4)の版代は見積もりに明確に反映されますが、部数が増えてくると1枚あたりの単価は一気に下がります
ここで登場するのが、部数の「階段効果」です。オフセット印刷の製版代、機械立ち上げ、インキ調整、試し刷りなどのロスは固定費で、500枚刷っても5,000枚刷ってもほぼ同じ金額です。つまり500部では1枚あたりの負担が重く、3,000部、5,000部と増やすと1枚単価が急降下します
お客様への判断基準は、おおむねこうしています
・500部以下で納期が厳しい:デジタル印刷。版代ゼロで当日受取可能
・1,000部前後:デジタルとオフセットの「損益分岐点」。両方の見積もりを取って比較
・3,000部以上:ほぼ確実にオフセットが有利。部数を伸ばすほど1枚は安くなる
具体的な例を出しましょう。A5 両面フルカラー、コート紙 150P で、1,000部と3,000部を比べると、総額差は2倍に満たないことがよくあります。しかし部数は3倍違うため、1枚単価は実質半額です。継続的に配布する予定があるなら、迷わず最初から部数をまとめてしまったほうが、複数回に分けて刷るよりずっとお得です

見積もり前に何を準備すれば、精度が上がる?
見積もりの差が大きい理由の半分は、「要件が伝わらず、業者が最悪のケースで計算せざるを得ない」という点にあります。以下のリストを事前に揃えておけば、提示される見積もりはずっと精度が高くなり、比較もしやすくなります
・サイズと塗り足し:仕上がりサイズ(A4 か A5 など)を明記し、ファイル四辺に 3 mm の塗り足しを確保する
・カラーモード:必ず CMYK。画面の RGB のまま入稿すると、印刷時に思わぬ色味になり衝撃を受けます
・解像度:画像は最低 300 dpi。Web から拾った画像は 72 dpi しかないことが多く、拡大するとぼやけます
・色数を明示:片面カラーか両面カラーか(4/0 か 4/4)。伝え間違えると金額が大きく開きます
・後加工の有無:マットPP、グロスPP、折り加工などが必要か。これらは別途加算されます
・部数レンジ:1,000/3,000/5,000 の階段見積もりを依頼し、自分で1枚単価を比較する
文字はアウトライン化するか、フォントを添付してください。黒ベタの大面積は「K100」ではなく「4色黒(リッチブラック)」にしないと、刷り上がりがグレーがかり、インキも過剰に載ってしまいます。こうしたプリプレス段階の詰めが、同じファイルでも業者間で品質が大きく変わる理由です
仕様を明確化すること自体がコスト削減になります。業者が最も嫌なのは「不確かさ」です。あなたが具体的であればあるほど、相手はリスク分を見積もりに上乗せする必要がなくなります

要点まとめ
・サイズはまず「保管されるか、手に取られるか」で判断:A4 は詳細向き、A5 は街頭配布向きで、どちらも標準判型を無駄なく使える
・用紙はコート紙、マットコート紙、上質紙の3種類を押さえれば十分。連量の主力は 100P〜150P で、厚ければ高級とは限らない
・総額を決めるのは用紙ではなく色数と部数。少部数短期はデジタル、大部数標準物はオフセット
・オフセットの固定費は1枚に広く薄く乗る。部数を増やせば1枚は確実に安くなり、3,000部超ではデジタルより有利
・入稿は CMYK、300 dpi、塗り足し 3 mm、色数明示。これだけで見積もり精度と比較のしやすさは劇的に上がる
もう一歩踏み込んで
定期的にチラシを発注する店舗やブランドの方は、「仕様」を標準化しておくことをおすすめします。サイズ、用紙、色数を固定して社内向けの入稿仕様書としておけば、毎回中身だけ差し替えればよく、見積もりも安定し予算管理もしやすくなります。業者側も同じ色設定をそのまま再現できるため、品質の一貫性は明らかに向上します。デザイン側でも、同じレイアウトを A4 と A5 の2パターン用意し、流通チャネルに応じて使い分けると効果的です。入稿作業の本当のコスト削減は、業者値下げ交渉ではなく、相手が推測しなくて済むレベルまで要件を尽くすこと。そこまで詰めておけば、見積もり精度も自然に上がります。デザイン作成、データチェック、印刷までをワンストップで任せられる、プリプレスから生产线まで一括対応できるパートナーを選ぶと、工程ごとに分けて発注するよりやり取りの手間が大きく省けます
FAQ / よくある質問
- チラシは A4 と A5、どちらがいい?
- 情報量が多く商品スペックを載せたいなら A4(210 × 297 mm)、街頭配布や新聞折込、袋詰め同梱には A5(148 × 210 mm)。A5 は A4 を半分に裁ったサイズで、台湾の標準判型にぴったり収まり捨て紙もほぼ出ないため、コスト効率が最も優れます
- チラシによく使われる用紙と連量は?
- コート紙、マットコート紙、上質紙の3種類が定番で、連量は 100P〜150P が主流です。100P は薄手で大量街頭配布向き、150P はコシが出て手に取ったときにしっかりした印象になります。マットコートの質感はその落ち着きから、より厚いコート紙より好まれることも多いです
- チラシ印刷はデジタルとオフセット、どちらを選ぶ?
- 500部以下で納期が厳しいならデジタル。製版代無料で当日受取も可能です。3,000部以上ならオフセットが有利で、固定費が広く薄く乗ることで1枚単価が下がります。1,000部前後が分岐点なので、両方の見積もりを取って比較するのがベストです
- 同じチラシでも業者によって見積もりが大きく違うのはなぜ?
- 多くは仕様が明確化されておらず、業者が安全マージンを取って計算しているためです。サイズと塗り足し、CMYK カラー、色数(片面か両面か)、部数レンジ、後加工の有無を一度に伝えれば、見積もり精度と各社の比較可能性は一気に上がります
- チラシのデータはどう用意すれば刷りミスを防げる?
- カラーモードは CMYK、画像は最低 300 dpi、四辺に 3 mm の塗り足しを確保、文字はアウトライン化、黒ベタは 4色黒(リッチブラック)を使用。こうしたプリプレス処理が、同じファイルでも業者間で品質が大きく変わる分岐点になります
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